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1259話

国士の目には、国家や民族の利益が何よりも優先される。

彼らが国士になった動機は、生き残るためか、自分の利益を最大化するためだったかもしれない。だが燕影の言うとおり、華夏民族がほかの三大古代文明のように歴史の長い廊下に埋もれてしまう運命を免れたのは、まさにこうした人々の存在と彼らの犠牲があったからこそだ。

もし彼らにこのような国士がいなければ、異民族に支配された時、ただ生き延びることだけを求め、国家の存亡など気にも留めず、ただ後世の子孫に自慢の種を残すだけだっただろう。「かつて我々の祖先は六千年前に、世界的に有名なピラミッドや空中庭園を建設した…」などと。

国士は偉大だが、同時に悲哀でもある...