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1255話

「宋楚詞は確信していた。燕影が取り出そうとしているその二つの品は、彼女にとって極めて重要なものだということを。

燕影が陸家を訪れたのは、宋楚詞に過去の出来事を語るだけでなく、最も重要なのは陸寧に二つの品を渡すためだった。

ただ、陸という男は、葉明媚が亡くなった後、梨花山の開発事業を自ら指揮せざるを得なくなり、足の踏み場もないほど忙しく、ずっと家に帰っていなかった。

燕影は数日間待ったが、息子が帰ってこないため、次第に忍耐が尽きてきていた。今夜、星を眺めながら、彼女はおそらく長い間考えた末、その二つの品を宋楚詞に託すことを決めたのだろう。

品物を手放した後、燕影は陸家を去るつもりだった。...