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1237話

陸寧が出て行ってからもう長い時間が経っていたが、楼宇湘はまだソファに座ったまま、ぼんやりとしていた。

彼女は以前からよく物思いにふけることが多かった。時にはペルシャ猫のようにソファの上で丸くなったまま動かず、太陽が昇ってから月が出るまで、一日中何も食べず飲まずにいることもあった。

そばに男がいなくても精力的な女性である彼女は、特に重要な仕事もなく、計略を巡らせる相手もいないとき、唯一できることは考え事をすることだった。

ぼんやりすることは命を無駄にする最も恥ずべき行為と言われるが、同時に最も人を楽しませるものでもある。

なぜなら、ぼんやりしているときこそ、忘れかけていた小さな幸せの記憶...