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1222話

宋総は、たった三人や五人の部下を持ち、自ら仕入れや運営、デザイン、時には販売員まで兼任するような露店レベルの小さな社長ではない。彼女は日々万事に忙しく、専任の秘書を持つ人物だ。誰であれ彼女に会いたければ、事前に電話で予約を入れなければならない。

もちろん、宋総のオフィスに直通で電話をかけられる人間は、並の人物ではないようだ。一般の人はそもそもこの電話番号を知らないのだから。

ただ、宋楚詞は確かに「燕影」という名前を聞いたことがなかった。さっきまでの鬱憤がまだ晴れていないので、気分が良くなるはずもない。それに相手は「宋総」とさえ呼ばず、非常に無礼な態度だった。彼女は燕影だろうが何だろうが気に...