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1221話

入り口に向かって歩きかけていた宋楚詞が足を止め、振り返った。陸寧を一瞥したが何も言わず、秦小氷の方を見た。その表情には明らかな不快感と詰問の色が浮かんでいた。

まるで秘書である秦小氷に「この人は誰?いつからオフィスにいるの?総裁秘書として、部外者が勝手にオフィスに入るのを防ぐのはあなたの最も重要な責務のはず。なのに見知らぬ人が突然私の前に現れるなんて。今月のボーナス、必要ない?」と言わんばかりだった。

「申し訳ありません、宋総。私のミスです。すぐに対応します」

秦小氷はすぐに軽く腰を曲げて小声で謝罪した後、陸寧に向き直ると眉を寄せ、冷たい口調で言った。「こちらの方、今すぐオフィスから出て...