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1219話

成長環境の影響により、漠北北は元々毒使いの大家であった。

ただ彼女は自らの武功が卓越し、天下無敵と自負していたため、人を殺す際にこの「単純かつ効果的な」方法を使うことは滅多になく、最も残酷な手段を用いることに酔心していた。それこそが人々に極大な衝撃を与えられると信じていたからだ。

唯一、モスクワ西郊の原始林で陸寧を脅かした時だけ、ほんの少し手を使っただけで、陸先生の小さな胆を破りかけたことがあった。

だから、どんな境遇に落ちぶれようとも、九幽夫人に飲まされた「増肥湯」(それは本来毒薬ではなく、急速に太らせる一種の物質で、アヘンに似た性質を持つ)を解毒できない以外は、自分の知らない、見たこと...