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1217話

漠北北の言葉を聞いていないかのように、老人はまた鍋から手を伸ばして芋を一つすくい上げ、口に入れてゆっくりと食べ始めた。目を閉じ、この一口を食べた後は死んでしまい、もう二度と食べられないとでもいうかのような陶酔した表情は、見ていて非常に不快だった。

彼の懐にいるウサギも、まるで酒に酔ったかのように目を閉じ、長い耳を背中にぴったりとくっつけ、母親の腕の中で眠る赤ん坊のようだった。その様子は老人とまさに相応しい取り合わせで、二人とも漠北北のことを完全に無視していた。

「あなたは、一体誰なの?」

漠北北は箸をきつく握りしめ、老人を睨みつけながら、三度目の質問を投げかけた。

老人はやはり何も言わず...