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1195話

「呪い?」

秦大川は秦小冰を呆然と見つめ、しばらくしてから懐の大きな封筒を見下ろした。「な、冗談だろ?こんなものに呪いなんてあるわけないだろ!は、はは、叶明媚がエジプトのファラオだとでも思ってるのか」

エジプトのファラオたちはミイラにされてピラミッドに埋葬された後、副葬品を盗む者たちに不幸が訪れ、息子の小さな大切なところがなくなるなどと呪ったという話は、今や世界中に広まっていて、三歳の子供でも知っている。

秦大川ももちろん知っていたし、ファラオの呪いを受けた不運な連中がどんな最期を遂げたかという伝説も数多く聞いていた。しかし、ただの叶明媚がそんなファラオたちと肩を並べられるとは思えなかった...