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1184話

「こんにちは、宋社長」

張翼はその言葉を口にした時、自分の声が少しかれているのを感じた。

思わず手を上げて唇を拭うと、すぐに火傷したような痛みが走り、眉をひそめてしまった。

昨日の午前中、神通急便グループで宋楚詞を訪ねた時、確かに疲れた顔つきではあったが、今のように明らかではなく、唇に水ぶくれができるほどではなかった。

はあ。

仕方ないのだ。宋楚詞は張市長にとって最後の救いの藁なのだから。彼女がこれからまともに生きていけるかどうかは、宋社長の梨花山訪問の結果次第だった。

宋楚詞が昨日の午前中に秦小氷を連れて梨花山へ車で向かったことは、張翼も知って...