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1168話

人それぞれ、世界観は異なるものだ。

葉明媚にとって、世界とはそういうものだ。力と地位のある者が、思いのままに振る舞い、自分の欲望に従って生きることこそが人生の真髄だと。

宋楚詞は違う。彼女の目には世界は暗く、できることなら次の瞬間に爆発してしまえばいい。そうすれば悩みごとも消え、皆死に絶えて、世界は大同になる。それでいいじゃないか?

空は青く、水は緑。鳥のさえずりは心地よく、花の色は美しい。春風は暖かく、北風は涼しい。お年寄りは慈愛に満ち、子供たちは愛らしい。たまに司明達のような外道に出くわすのは、天がこの世界を完璧にしないための試練として遣わしたのだ。

これが秦小氷の世界観だった。

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