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1096話

はぁ、張翼は間違えていたんだ。

小さな白い玉石に彫られているものを見て、陸寧は心の中でそっとため息をついた。山原百代に対する警戒心が一気に消えていった。

両手を高く上げている少女は、明らかに周囲の空気の変化を感じ取り、思わず安堵のため息をついたが、それでも少しも動こうとはせず、ただまっすぐに腕を上げたまま、処分を待っていた。

「とりあえず上がってきなさい。聞きたいことがある」

陸寧は手を放し、車のドアを開けた。

山原百代は躊躇い、車に乗るのを恐れていた。

彼女は車に乗り込んだ途端、陸寧に座席に押し倒され、硬いものを突き刺されるのではないかと恐れて...