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105話

旅の途中で美女と出会い、男性が積極的に声をかけるのは至極当然のこと。

男性が美女に声をかけたがるように、女性も実はイケメンと関わりたいものだ。異性が惹かれ合うのは、太古から変わらぬ真理なのだから。

「はじめまして、宋楚詞と申します。唐王から来ました——」

宋楚詞が手を差し出し、燕随意と握手しようとした瞬間、背後から咳払いの声が聞こえた。

振り向くと、ローラが車の前に立ち、冷たい視線で燕随意を見つめていた。その表情には明らかな不快感が浮かんでいる。

宋楚詞は一瞬戸惑い、すぐに手を引っ込めた。「すみません、燕さん、もう行かなければ」

「ふふ、わかりました。また機会があれば」

燕随意はロー...