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986話

「祥兄、早く食べてくれない?頭がちょっとクラクラして、外で少し息をしたいの……」李羨羨が言った。

「ん?少し目眩がするのか?じゃあ先に休んでいろ、俺が会計を済ませて行くから」呉綜祥は頬を赤らめ、杏の実のような瞳が潤んでいる李羨羨を見て、心の中で狂喜した。

「うん……早く行ってきて……」李羨羨は言った。どうしてこんなに眠いんだろう、と彼女は思った。ああ、お酒なんか飲むんじゃなかった、と彼女は後悔していた。

「わかった、ちょっと待っててくれ、すぐ戻るから!」呉綜祥はそう言って立ち上がり、ドアの外へ向かった。

個室を出ると、呉綜祥は心の高ぶりを必死に抑えながら、ゆっくりとタバコに火をつけ、深...