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969話

赤いバラ、黄色い菊が、相変わらず賑やかにキャンパスの片隅で咲き誇っている。ふと喜儿のことが頭に浮かんだ。今どうしているのだろう。携帯を手に取り、彼女に電話をかけた。

「もしもし……」相手はすぐに出た。はつらつとした声から、機嫌はまあまあ良さそうだ。

「何してるの?回復具合はどう?」李羨羨が尋ねた。

「今ね、母の家にいるの。昨日の午前中に来たのよ。回復は順調よ。あなたは?何してるの?どうして今電話してきたの?」喜儿が向こうで尋ねてきた。彼女は昨日から母親の家に行っていた。世話をしてもらえることと、人からあれこれ詮索されるのを避けるためだった。

「私?今、党校にいるわ」李羨羨は答えた。

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