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897話

仏堂を出て、右側から秋風が吹き抜ける木立ちを通り抜けると、その林の中の東屋には丸テーブルを囲んで、老若男女の参拝客たちが所狭しと集まっていた。琉璃厅を通りかかった時、李羡羡は不意にあの日ここで見かけた妙桃と若い僧侶の光景を思い出した。

「今日はどうして彼女を見かけないのかしら」と李羡羡は心の中で呟いた。しばらくすると、一行は食堂の前に到着した。見上げると、食堂の前には八仙海卓が二つ並べられ、その前には敬虔な表情を浮かべた人々が集まっていた。

妙桃と一人の僧侶が八仙卓の食堂側に座っていたが、李羡羡がよく見ると、あの日見かけた僧侶ではなかった。妙桃はシンプルな僧衣姿で、斜めに革のバッグを肩にか...