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605話

だから彼女の父親の目には、娘の夫はただの無能な男に映っていた。結婚式の費用すら全て借金で賄うほど無能な男だと。

さらに足の不自由な義父からまでお金を借りていた。確かに義父は自ら進んで差し出したものだが、李羨羨の父親からすれば、そんなものを受け取るべきではなかった。

当時、李羨羨の父は言った。もし義父が健常者なら、息子のために援助してくれるのは当然だ。だが彼は障害者で、家で内職をしたり、補助金を頼りに質素な生活をして貯めたお金だ。それを受け取るなど不孝に当たる。

しかし当時は本当にお金がなく、結局受け取ってしまった。

これこそが李羨羨がモデルになりたいと強く願う理由だった。お金があれば良い暮らし...