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590話

「パチン!」

平手打ちを食らった後も、袁勝利は趙清美と言い争おうとした。

すると、趙清美は一蹴りを袁勝利の急所に見舞った。

「あっ!!!」

悲鳴を上げながら、股間を押さえた袁勝利はそのまま床に倒れ込んだ。

その様子を見て、眉をしかめた趙春雷が言った。「経験したことはないが、さぞ痛いだろうな」

「出て行きなさい!」趙清美は怒鳴った。「もう二度と私の前に現れたら!殺すわよ!」

袁勝利は何か言い返そうとしたが、まともに言葉も発せなかった。

そのため、もごもごと呟きながら、袁勝利は芋虫のように出口へと這っていった。

五、六メートルほど移動した後、やっとのことで立ち上がり、よろよろと外へ出て行った。

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