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757話

明らかに、その場にいた皆は大荒れの嵐を経験してきた者たちだった。驚きの一瞬の後、すぐに状況を把握し、揃って同じ動作を取った。

カチャカチャッ!その場の警備員たちは、龍崎大川の背後にいる者を除いて例外なく拳銃を抜き、二人に狙いを定めた。皇甫謐でさえも銃を取り出し、目の前で崩壊していく龍崎大川を警戒の眼差しで見つめていた。

考えてみれば、一人の日本人が華夏でこれほど長く潜伏し、自らの能力で一歩一歩現在の地位まで上り詰め、一時は華夏の外交関係を掌握していたのだ。そんな敵は単純な人物ではなく、極めて危険な存在だった。

ひょっとすると、今日の会議に二人は体に爆弾を巻き付けて、共倒れを狙っているかも...