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751話

青海、香江ホテル。

上官鬼の一件が落着した後、最も苦悩していたのは裏で策を巡らせていた栄錦だった。今、彼は単于の向かいに座り、まるで死んだ蠅でも食べたかのような苦々しい表情を浮かべていた。

同じように嫌悪感を露わにしていたのは、彼の向かいに座る単于だった。

護衛隊が宋玄の手にかかって以来、彼は緊急に納蘭傑ら二人を身辺に呼び戻していた。索多隆と、彼に劣らぬ腕前を持つ二人の弟子が側にいることで、ようやく安心感を得ていた。

しかし、老道士の死亡のニュースが伝わった瞬間、ついに彼は落ち着いていられなくなった。表情には何も表さなかったものの、心の中では閻京に対して恐怖と警...