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746話

口内炎は実は陰火が旺盛になることで起こるもので、中医学ではごく一般的な症状に過ぎない。閻京が出る幕でもなく、彼の弟子たちが数人出向くだけで、薬を与えれば簡単に治せるものだった。

しかし閻京はそうするつもりはなかった。彼が針包を持参したのは二つの理由があったからだ。

一つ目は、この突発的な騒動の中で、確実に怪我人が出るだろうということ。これは疑いようのない事実で、医者としての責任感から閻京は針包を持参し、負傷者を即座に効果的に治療できるようにしておく必要があった。

二つ目は、ウィルソンをあまり信用できないということだった。彼は傭兵団の団長という身分であり、この間に敵対勢力が密かに介入してく...