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665話

事が急に起きれば妖が潜んでいるに違いない。王美鳳の心には何か企みがあるはずだ。

「もう、人家が知るわけないじゃない……閻さんが何をしろって言うなら、そのとおりにするだけよ」彼女の声は骨の髄まで甘く染み入り、体も男を誘うような姿勢をとっていた。

それから彼女は立ち上がり、艶やかに歩み寄って閻京の手を取った。

閻京が拒絶しないのを見て、彼女はさらに大胆になり、なんと直接閻京を抱きしめた。

その時、閻京の鼻に突然ある香りが漂ってきた。

女性の体から香りがするのは普通のことだ。特に王美鳳のような美しく艶やかな女性なら尚更だ。通常、女性の体の香りは、男性を手なずける武器の一つでもある。

しかし今、閻京が...