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657話

阎京は頷いて言った。「それならば、先にお礼を申し上げておきます、向さん。ただ一つだけ心配無用なことがあります。私があの古墳に入りたいのは、中の宝物に興味があるからではなく、ただあなたが感染した源に興味があるだけです」

「私の感染源に興味が?」向華龍は少し困惑した表情で阎京を見つめた。

「そうです」阎京は頷いた。自分が金蝉蠱毒に侵されていることは、むろん他人に軽々しく話せることではない。そこで適当な嘘をついた。「あなたの病の原因は、ある奇妙な物質に触れたことです。私もそれが何なのか確信が持てないので、その古墳を調べに行きたいのです。おそらくその物質が見つかるかもしれません。世の中の多くの病は...