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609話

翻訳:

翌日の夜明け、雨脚は次第に弱まったが、空は依然として黒々と垂れ込めていた。

厳京たちは起きて身支度を整えた後、厨房で精進料理を食べた。昨夜の大火のため、朝食を済ませるとすぐに達磨堂へ様子を見に行く準備をした。

厳京たちが後院の達磨堂へ向かうと、空印はすでに達磨堂で経を唱えており、遠くから木魚の音が聞こえていた。

一同が達磨堂に入ると、建物全体がほぼ焼け落ちていたが、幸いにも達磨堂の中には元々ほとんど何もなかったため、実質的な損失は少なく、人的被害もなかった。

「この火事は消えたものの、達磨堂はほぼ全壊したな。棺は一旦外に移して別の場所に安置した方がいい。高僧の御霊を慰めることにもなる...