Read with BonusRead with Bonus

606話

「火災の件はそう簡単なものではない。だから阎京としては明らかにしなければならないことがある。さもなければ、彼らは敵が誰なのかさえわからない。敵は闇に潜み、自分たちは明るみにいるという状況は、彼らにとって非常に不利だ」

「阎施主たちも楊施主のためを思ってのことです。楊施主もどうか阎施主たちに協力してあげてください」と空印は言った。

楊奇はようやく不承不承と頷いて言った。「聞きたいことを聞けばいい」

「拙僧はまだ薬を煎じている最中でして、余計な問題が起きないよう、先に失礼させていただきます」と空印は言って、仏礼をした。

阎京も仏礼を返して言った。「お気をつけて」

空印が禅房を出て行くと、...