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603話

斎飯を食べた後、閻京たちは空印の禅房に史延慶の様子を見に行った。史延慶は昏睡状態で、顔全体が紅潮し、熱を出しているようだった。

空印は医術に通じているはずだし、そもそも史延慶には何の病気もなかったはずだ。空印が史延慶に与えた薬は閻京も確認したが、何も問題はなく、ただの滋養強壮の薬材だけだった。どうして熱を出すことになったのか?もしかして、昼間に彼らが離れた時、空印は史延慶に何かしたのだろうか?

ちょうどそこへ空印が薬の入った椀を持って入ってきた。閻京たちが全員いるのを見ても、自然な様子で薬椀を持って入ってくる。閻京はその薬椀を見ながら尋ねた。「史先生の病状は、どうして悪化しているように見え...