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588話

阎京たちは足早に進んでいったが、傾城の体はもともと弱く、病を抱えている上に、しばらく歩いただけで体力の限界が近づいてきた。

「先に行って。私のことは気にしないで」傾城は息を切らしながら言った。自分一人のせいで白浔たちの脱出を遅らせるわけにはいかなかった。

「無理だ。お前を置いていくなんてできない」白浔はきっぱりと言った。

背後から迫ってくる死体はどんどん近づいていた。離と宫商の姿はもう見えなくなっていたが、笛の音は途切れることなく続いていることから、二人はまだ成功していないことが分かる。

「背負おう」阎京は素早くリュックを地面に投げ捨て、傾城の前で半蹲みになって言った。

傾城の体力は...