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573話

「可児、お父さんを許してくれ。これからの道をお前と一緒に歩めなくなってしまった。お母さんをしっかり頼むよ。彼女はね、何もできない女性なんだ。むしろお前の方が彼女の面倒を見るのに向いている。お父さんには本当に他に道がなかったんだ」

画面に映る杜偉珏は笑みを浮かべていたが、その笑顔は見ていて胸が痛むようなものだった。

「お父さんの仇を討とうなんて考えるな。これはお父さんが返すべき借りなんだ。お父さんはただ、お前たち母娘が無事に人生を送ってくれることだけを願っている。さあ、時間がない。お父さんはお前たちを愛している」杜偉珏はそう言うと録画ボタンを切り、映像は終了した。

厳京が二つ目の動画を開く...