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553話

篆文を押した瞬間、篆文が前に動いて、小さな隙間を露わにした。その隙間には蝉の羽のように薄い明るい黄色の絹布が隠されていた。

傾城はその黄色い絹布を取り出した。一見大きくは見えなかったが、広げてみると約20センチ四方ほどあり、表面には細かい線が密に描かれていた。

「これが玉璽に隠されていた宝の地図だわ」傾城は線をじっくりと観察しながら言った。

絹布の地図には所々に篆文で標記がされており、閻京はなんとか大まかな内容を理解し、宝の最終的な場所が蔵西にあることを把握した。

「なぜ蔵西なんだ?」閻京は眉をひそめて尋ねた。

「蔵西は我が国で最も標高の高い都市よ。そこに宝を埋めるなんて、簡単なこと...