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551話

血が、突然ぱたりと公儀薫の口角から溢れ出し、鮮やかな赤が白いドレスの上に落ち、最も艶やかな花のように映えた。

「姉さん!」公儀岸はすでに舞台の下まで駆けつけており、公儀薫の体の血を見て、心臓が飛び出しそうなほど驚き、素早く舞台に飛び乗り、今にも倒れそうな公儀薫をしっかりと抱きとめた。

「最後にもう一度会えて、姉さんは満足よ。ただ、これからは…姉さんはもうあなたを見守ることができないわ」公儀薫は笑いながら言った。その笑顔が痛々しいほど眩しかった。

「そんな馬鹿なこと言わないで!閻兄さんがいるから、絶対に大丈夫だから!」公儀岸は焦りながら言った。

閻京もすでに駆けつけ、地面に膝をつくと、す...