Read with BonusRead with Bonus

526話

青酸化合物自体が毒物であり、注射薬物に混入されても発見されにくい。健康な人でも青酸化合物を注射すれば程度の差はあれ中毒症状が出るのに、まして周清の今の弱った体では尚更だ。

閻京の言葉を聞いて、その医師も顔色を変えた。閻京が脈を診るだけで問題を見抜いたことに驚いたようだ。「何が青酸化合物だ。お前が周さんの病気を治せないから、わざとこんな言い訳をしているだけだろう」

閻京はその医師と無駄話をする気はなかった。まずは人命救助が先決だ。その他のことは、人を救った後で秋の決算のように清算しても遅くはない。

閻京は素早く銀針を取り出し、周清の全身の血脈を封じて毒素がこれ以上広がらないようにした。そし...