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509話

阎京は何度も深呼吸をし、やっと勇気を振り絞って歩き出そうとした。白浔と宮商はすでに被害者の遺体の前に立ち、何か手がかりを見つけられないか調べていた。

遺体はつい今しがた降ろされたばかりで、周囲に流れた血はまだ乾いていなかった。十字架の右側の壁には血で大きな笑顔のマークが描かれており、不気味な光景だった。

「うわっ！」法医学者が突然悲鳴を上げ、後ろによろめいて地面に倒れ込んだ。

「どうした？」宋慶華も現場を見回り、手がかりを探していた。

「彼女が...まだ生きています！」法医学者は叫んだ。

阎京も驚き、すぐに被害者の呼吸を確かめた。被害者の息はかすかだったが、まだ息をしていた。つまり、...