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50話

「君子は人の成功を助けるものだ。どうせ急いでいるわけでもないし」と、閻京は気前よく本を取り、その男子学生に手渡しながら言った。「この本は絶版で、華夏国全土でこの一冊しかないんだ。君の友達は目が利くね」

「はは、彼女は昔から独自の視点を持っているんだ。本当にありがとう。君が譲ってくれなかったら、彼女への言い訳に困るところだった」と男子学生は答えた。

「裴錦、どうしたの?まだ本が見つからないの?」段清夏は裴錦がなかなか戻って来ないのを見て、近づいて尋ねた。

「あ、清夏、本はもう手に入れたよ。この方も同じ本を探していたんだけど、少し遅れたから相談したら、先に君に貸してくれることになったんだ」裴...