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479話

「閻京が階段を下りてくると、公儀岸が庭で手帳をじっと見つめて呆然としているのが目に入った。彼は公儀岸の傍らに歩み寄り、腰を下ろして声をかけた。

「どうした?めまいで頭がおかしくなったのか?ぼろいパソコンをじっと見つめて。」

「企画を考えていたんだ。ちょうど今、行き詰まっていてね」公儀岸は眉間にしわを寄せ、ほとんど「川」の字になるほどだった。

閻京はテーブルに置かれていたブドウを手に取り、食べ始めながら言った。

「どんな企画だ?聞かせてみろよ」

「秦氏に一部投資する以外に、電子機器の会社を立ち上げようと思っているんだ。この分野なら以前から培ってきた人脈を活かせるし、自分も得意だから手を出し...