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411話

その夜、張部長は自ら指揮を執り、配下の特殊警察部隊と軍隊を率いて、即座に宝龕市の全ゲートの封鎖を命じた。いかなる車両も宝龕市から出ることを許さないという命令だった。

栄錦は負傷していた。肩甲骨に銃弾を受け、今も血が滴り続けている。だが彼にはそんなことを気にしている余裕はなかった。今夜、宝龕市から脱出できなければ、翼があっても逃げられないだろう。

栄錦は宝龕市の地形にあまり詳しくなかったが、高速道路を使うことができないのは分かっていた。張部長の能力からすれば、必ず高速道路で待ち伏せされるだろう。そのため、栄錦は人里離れた県道を選ぶしかなかった。

雨はますます激しく降り続け、栄錦は運転しなが...