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406話

この地下宮殿で、出所不明の音を聞くというのは良いことではなかった。全員が一瞬で静まり返り、空気の中で針が落ちる音さえ聞こえるほどだった。

続いて、また巨大な嘶き声が響き、水滴の滴る音と混じり合って……

「水中は安全じゃないと思う。先に岸に上がった方がいい」厳京は唾を飲み込み、額に細かい汗を浮かべながら緊張した様子で言った。

この地下宮殿は地上とは違う。一度何かあれば身動きが取れなくなるし、救助も来ない。厳京はこの石の台に何か不気味なものを感じていたが、それが何なのか具体的に言葉にできなかった。ただ直感的に白浔と離たちを岸に戻らせたかった。

「待って!」突然、離が大声で叫んだ。

白浔た...