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38話

「証拠があるんだ。柳さんは知らないかもしれないけど、あの日の様子は全部録画している。今、その動画は私のスマホにある。認めなくても構わない。この録画を閻校長に見せれば一目瞭然だ」と閻京はスマホを取り出して言った。

「子供の遊びごとですよ。本気にするほどのことじゃない。そうでしょう、閻校長」と、突然ドアの外から低い声が響き、五十歳ほどの男性が入ってきた。

「お父さん!」柳志銘は彼を見て喜色満面となり、小さな声で叫んだ。

閻京は気づいた。柳志銘は父親をとても恐れているようで、今はきちんと頭を下げて立っている。

入ってきた人物は柳廷嘯といい、青海市第二の財閥である柳氏財団のトップであり、柳志銘...