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372話

楚修が離の真の身分を知らないからこそ、この「石を投げて玉を引き出す」という策が可能だったのだ。しかも、その中には宋慶華と関わりのある人物もいる。楚修の策略は実に毒だ。

「つまり、私たちは彼の策にはまったということですか?」厳京が言った。

「彼がこんな大きな贈り物を持ってきてくれたのに、どうして断れるでしょう?」離は言った。

「そういえば、宋さんとあの指名手配犯には何か因縁があるようですが、何かご存知ですか?」厳京は尋ねた。

離の能力を厳京はよく知っていた。宋慶華の反応から見て、彼と蒋徳朝の間には何か大きな因縁があるはずだ。宋慶華に直接聞いても無駄かもしれないから、まずは離に探りを入れて...