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370話

燕京は秦哲の笑顔を見なかったふりをして、彼を通り過ぎ、百里玥の診察を続けた。

「あの、今玥ちゃんに薬を飲ませたところで、これを洗ってくるよ」秦哲は落ち着かない様子で薬碗と匙を指さしながら言った。

こんな惨めな姿を白浔に見られたくなかった。だから今は尻尾を巻いて逃げ出すしかなかった。

「一緒に行くわ」白浔が言った。

秦哲は碗を持つ手が雷に打たれたかのように宙に固まり、気まずそうに言った。「いや、大丈夫だよ。数歩の距離だし...自分で洗えるから」

白浔は何も言わず、身を翻して外へ向かった。

秦哲は碗を持ったまましばらく呆然としていたが、仕方なく白浔の...