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36話

「阎京は救急車に乗せられ、陳璇も付き添って行った。段清夏も行きたかったのだが、病院側は一人だけと言われ、彼女は暗い表情で救急車が遠ざかるのを見送るしかなかった。

突然このような事態が起きたため、表彰式は当然続行できなくなった。林徳政も閻青山が面子を重んじる人物だと知っていたので、軽く挨拶を交わしただけで、趙奕歓と共に辞去した。

林徳政は華医大を出ると、運転手に直接青海市人民病院へ車を走らせるよう指示した。先ほどの救急車は彼らの病院のものだったのだ。彼は阎京の状態を非常に心配しており、彼の安全を自ら確認する必要があった。

林徳政の目には、阎京は医学の天才に映っていた。若くしてあれほど優れた...