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339話

「まだ本を買いに行きますか?」と離は本屋を見ながら尋ねた。

先ほど地震があったため、首都書店の棚からは多くの本が落下していた。時間も遅くなっていたので、首都書店は一時営業中止の札を掲げていたが、離が入りたいと思えば必ず入れるのだった。

「せっかく来たんだから、手ぶらで帰るわけにはいかないでしょう?」と閻京は言った。

離はうなずくと、書店のスタッフと交渉しに行った。書店はすぐに閻京が欲しがっていた医学書を用意し、包装して直接離の車まで届けてくれた。

「もう遅いし、君もまだ食事してないだろう。何か食べに行かないか。俺がおごるよ」と閻京が言った。

離はちょっと躊躇した。彼らはすでにかなりの...