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334話

昨日、閻京がこの薬で皇甫謐の出血を止めるのを見た離は、閻京が薬を差し出すと拒否した。「この薬は義父のために残しておいてください」

離はこの薬の驚異的な効果を目の当たりにしていた。皇甫謐の手首の傷は、たった一晩でほぼ完全に治癒していたのだ。これからも皇甫謐は継続して瀉血が必要となるため、離は九霞觞を皇甫謐のために取っておきたいと考えていた。

閻京は離の忠誠心を褒めるべきか、それとも愚かさを叱るべきか迷った。

「あなたが持っていなさい。処方箋を書いておくから、これらの薬材を集めてくれれば、すぐに調合できる。皇甫先生のことは心配しなくていい」と閻京は言った。

この九霞觞には霊草の成分が含まれ...