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321話

「阎京はそう言った。その意味は明白だった。南宫博にこの縁を受け入れてもらい、公儀岸と南宫堇の婚約をすんなり解消したいということだ。

しかし南宫博の先ほどの反応を見ると、そう簡単には承諾しそうにない。

「公儀家が突然婚約解消を申し出るとは、我が南宫家の立場をどう考えているのか?阎医師はさも簡単に言うが、もし婚約を破棄されたのが阎医師だったら、そう簡単に承諾できるのかね?」南宫博は怒りを露わにした。

上流社会の名家であれば誰でも面子を重んじるものだ。南宫堇と公儀岸の結婚式はもう間近に迫っていたというのに、公儀岸がこのタイミングで突然婚約解消を申し出たのだから、南宫博が怒るのも当然のことだった。...