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316話

今回、厳京は答えを出さなかった。彼も西薩王がいつ現れるか分からなかったからだ。西薩王の行方はあまりにも神秘的で、しかもこの水池がこんな大きな怪物を隠せるとは、水池が一体どれほど広いのか見当もつかない。彼らは今地底にいて、自分たち以外に助けを求める術もなかった。

厳京たちが途方に暮れていた時、秦哲が突然大声で叫んだ。「出てきた!」

秦哲の声が響き渡るやいなや、西薩王は素早く傾城と冷血の位置に飛びついてきた。冷血は目にも止まらぬ早さで、片手で傾城を上方へ強く押し上げ、もう片方の手ですでに西薩王に向かって連続で数発の銃弾を放っていた。

八岐大蛇と違い、西薩王は銃を恐れているようだった。弾丸が体...