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297話

「国師府の中は至る所に仕掛けがある」という傾城の言葉に、皆が頷いていた。

「じゃあ、私たちはどうすればいいの?」厳京が尋ねた。

命に関わる事態に直面し、彼らは細心の注意を払わなければならなかった。さもなければ、二度と戻れない破滅への道を辿ることになる。

傾城は周囲を見回し、部屋に使える筆がないことに気づくと、「誰か筆を持っている?阵を破るための歩き方を描く必要があるの。皆、描いた通りに歩かなきゃ。一歩でも間違えたら危険よ」と尋ねた。

燕離人が自分のバッグからボールペンを取り出して傾城に渡すと、傾城は地図の裏側に仕掛けを解くための歩き方を描きながら、「一歩一歩をしっかり覚えて。絶対に間違...