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193話

冷血は幽冥に指示を出し終えると、幽冥は秦正の家を後にした。

閻京はアルバムを元の位置に戻し、彼もまた秦家を離れた。誰が秦正を害したにせよ、必ずその犯人を突き止めるつもりだった。

車に乗り込んだ閻京は、携帯を取り出して趙啓文に電話をかけた。

「もしもし、閻先生、何かご用件でしょうか?」趙啓文は閻京からの電話を見た途端、頭が痛くなった。これまで閻京と関わるたびに良いことなど一度もなかったからだ。

「趙隊長が市局の副局長に推薦されるとお聞きしました。お祝いを申し上げたくて」と閻京は言った。

趙啓文はそれを聞いて安堵の息をついた。少なくとも何か厄介な事で自分を頼ってきたわけではないようだ。

「閻先生、...