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15話

夜の静けさの中、華夏医科大学の小道には一組の美しいカップルが歩いていた。

秦老のところを出た後、陳璇は閻京に学校内を案内しようと提案した。環境に慣れておくためだ。

結局のところ、陳璇は仕事があるし、閻京が学校に報告に来る時に時間が取れるとは限らない。閻京は土地勘がないので、その時になったら道さえ見つけられないかもしれない。

陳璇は閻京を連れて大学をほぼ隅々まで歩き回り、空も徐々に暗くなってきた。

「主要な講義棟と実験棟の場所、ちゃんと覚えた?」陳璇が尋ねると、二人はすでに学校の陸上トラックに辿り着いていた。トラックを通り過ぎれば華夏医科大学の正門だ。

閻京は手にした小さなメモ帳を軽く...