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78話

「あの、昨夜は大丈夫だった?」

突然、義姉が尋ねてきた。王勝は一瞬戸惑い、頷いた。「まあ、大丈夫だったよ」

「そう」

淡々とした返事。だが王勝の胸は急に苦しくなった。義姉はきっと、自分と蘇以娥が何かあったと思っているのだろう。しかし昨夜は、最悪の夜だった。

王勝がそうしたくなかったわけではない。ただ、それで蘇以娥の邪魔をしたくなかっただけだ。

「あの、義姉さん、今夜は帰ってこないよ。配送に出かけて、他にもやることがあるから」

王勝はそう言って、立ち上がり外へ向かった。この数日間、義姉が意図的に自分を避けているのは、蘇以娥の言葉のせいだ。王勝も腹が立っていたが、蘇以娥のことを責める理由は見つから...