村の英雄

194話

「金が尽き、利益が消えたとき、いわゆる人情というものは、単なる処世術に過ぎなくなる」

王勝はそれをよく知っていた。だからこそ、彼の心の中では、このような事は自分とは関係ないと思っていた。ましてや、自分は医者でもなく、ただの村の住民に過ぎないのだから。

王勝の返答を聞いた老婆は、その場に崩れ落ちるように座り込んだ。皺だらけの頬には、かすかに涙の跡が見えた。

「どうか、可哀想な息子の嫁を助けてください」

老婆の言葉を聞いても、王勝は相手にする気もなく、家の中へ戻ろうとした。しかしそのとき、兄嫁が出てきた。

「王勝、助けてあげたら？楊柳さんも大変なのよ」

兄嫁の言葉に、王勝はハッとした。...