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191話

王勝が清風薬草堂に到着し、扉を押し開けると、すでに閉店していることに気づいた。劉芸のいつもの事務室に入ると、秘書はまだいて、蘇以娥と義姉も部屋にいたが、肝心の劉芸本人の姿だけがなかった。

この光景を目の当たりにして、王勝は不思議に思った。劉芸が抱えている問題とは、もしかして自分の直面した困難よりも厄介なものなのだろうか?

今や上等黒龍の腕章を持つ者たちの件は解決済みだ。これで劉芸との約束も果たしたことになる。

「王勝さん、私どもの経営者からのお言葉です。『また後日お会いしましょう』と。それから、あなたがここに来られたので、この店はあなたに任せると仰っていました」

秘書はそう告げると、外...