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166話

この頃、なぜか夜になると安らかに眠れなくなっていた。

「義姉さん、乾燥してるから、この唇はしっかり保護しないとね。さもないと毎日キスしてあげるのも、結構疲れるよ」

王勝は冗談めかして言うと、そのまま外へ向かった。余計な言葉も加えず、義姉と何かをするために残ることもなかった。

だが、倉庫の入り口に辿り着いたとき、義姉の声が聞こえてきた。

「王勝、あなた、今夜うちに泊まる?」

義姉の声は大きくなかったが、勇気を振り絞って言っているようだった。その言葉を聞いて、王勝は振り返って義姉を見つめ、笑みを浮かべた。「うん、行くよ。夕飯、義姉さんに作ってもらうことになるけど、悪いね」

「うん」

義姉が短く返事...